ウェブ屋の備忘録

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電子出版で金色の夢を実現できるか?

最近まで、アベノミクスの意味を理解してなかった私。 こんな私でも、世の中先立つものがないと、 どうにもならない事は頭の中では理解しているつもりです。

でも、この懐の寒さはいったいなんだ! と自問自答しておりますが、 みなさん、いかがお過ごしですか。

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今日はこの本を紹介いたします。

「漫画貧乏」佐藤秀峰

漫画貧乏

漫画貧乏

紙の本がマジやばいらしい…

あの「海猿」や「ブラックジャックによろしく」でおなじみのマンガ家さんの 電子書籍の販売サイト「漫画 on Web」を立ち上げるまでの紆余曲折を書いた手記です。

これが、実に生々しく、読み応えがございます。

プロローグは、漫画で自身の半生とともに 「漫画 on Web」を立ち上げる動機付けが描かれております。

それ以降は、漫画家の原稿料や出版業界の現状を数値を交えて解説。 「ひょっとしたら、紙の本がなくなるんじゃないの?やべえんじゃないの?」 という危機感をこの本を読んで感じます。

私も今売れている漫画って「ワンピース」ぐらいしか思い浮かびませんから。

佐藤秀峰はどう動く…?そして、結論は…!

最終的に筆者が出した結論は サイトを立ち上げて漫画をネットで売る。 しかも、電子出版でという事に至ります。

実はこのビジネスモデルは結果成功を得る事になります。 【参考】「ブラよろ」二次利用フリーの効果 佐藤秀峰さんに半年で「80万部ヒット」相当のロイヤルティー売り上げ

代表作「ブラックジャックによろしく(略して「ブラよろ」)」を 二次利用フリーにして、その結果、他の漫画の売上が急速に伸びたという結論に至ります。

佐藤秀峰「だから」成功したのか?

あくまでも「有名な佐藤秀峰だからできた」という声もありますが、 ただ、それだけではないと私は思うのです。

「ブラよろ」二次利用フリーを『エサ』にして それが、効果的なプロモーションになったといえるのではと思います。

昨今アマゾンのkindleなど、電子出版が注目を浴びていますが、 「電子出版」を発刊したところで、ユーザーが魅力を感じなければ 売れるわけが無いわけでございます。

この辺、佐藤秀峰さんはうまく考えたのではないでしょうか?

「電子出版」をつくるのカンタン?売るのはもっとムズカシイ…?

「電子出版」はかさばらない、どこでも持ち歩ける、印刷コストがかからない などのメリットはありますが、それだけではもちろんダメで、 「どのように広めて、売るか」も重要なのではと思います。

結果、どのような方法が一番効果があるプロモーションか を考えると日進月歩のWeb業界では水物のようなもので つかみどころがないのも事実。

でも、やってみなくてはわからない部分もあります。

そんな意味で、佐藤秀峰さんのチャレンジは ある意味拍手を送るべきなのではないかと私自身は思います。

私も「作る」だけではダメだと痛感。 「どのようにして広めるか、売るか」も念頭において制作をせねば、 と決意する今日このごろです。まる。