ウェブ屋の備忘録

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皆様も「夏への扉」をさがしてみてはいかがでしょうか?

最近まで青空が気持ちよかったはずなのに いつの間にか梅雨入りしてしまって がっかりの私です。

でも、夏が近いと、なんとなくですが わくわくしませんか?しません?しないの?

という訳で、今日は「夏」のタイトルがつく本をご紹介します。 今回は「Web」とはまったく関係がございませんのであしからず。

ご紹介するのは、超有名な小説「夏への扉」です。

古典SF小説の名作なのですよ。参ったか!

アメリカのSF作家ロバート・A・ハインラインの代表作の一つです。 1956年に発表された「タイムトラベル」ものです。 いわば、古典SF小説の名作なのです。

舞台は1970年のロサンゼルス。主人公ダンは親友のマイルズと会社を興し、ダンは開発を、マイルズは営業を担当し、業績は順調に伸ばしていく。そして株式会社設立のために美人秘書ベルを仲間に加え、ダンはベルと結婚話を進めるなど幸福の絶頂にあった。ダンは既存の技術をこねくり回し、家事用ロボット「文化女中器(ハイヤード・ガール、福島正実による訳語)」を発明。しかし、質のいい商品を送り出したいダンは、企業をいち早く大きくさせたいマイルズと運営方針をめぐって対立。またベルの裏切りによって会社を追い出され全てを失う。 失意のまま、愛猫のピートと共に冷凍睡眠で30年間の眠りにつく決意をするダンだったが、直前で考えを改め、2人に復讐しようとする。しかし返り討ちにあい、ピートは行方不明、ダンは麻薬を射たれて人事不省のまま冷凍睡眠に送り込まれる。 (ウィキペディアより引用

この「夏への扉」は日本では人気が高いそうです。 しかし、その一方では「ご都合主義」とか「ロリコン趣味」とか いろいろ言われている小説ではありますが、私は好きなのです。

私が最初に読んだのは「高校生」の頃。 福島正実さんが訳されたものを読んで、 いたく感動したのを今でも覚えているのです。

なぜ、昔の事を蒸し返すのさ!

なぜ、高校時代に読んだ本を 今頃蒸し返すのかといいますと、

数年前に新たに訳しなおされた 新訳版が登場したからです。

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新たに小尾芙佐さんによる今風の言葉まわしで訳されています。 今の若い人はこっちのほうがしっくりくるかも。

私は福島正実さんバージョンも好きです。

例えば、文中にでてくる発明品の 家事用ロボット「文化女中器(ハイヤード・ガール)」を 「おそうじガール」などと、ちょっとハイカラに訳してみたり、 わりとマイルドな仕上がりになってます。

私は、直球ばりばりでフランクな福島正実さんバージョンも好きです。

もし時間があれば、両方お読みいただくと良いかもしれません。

で、肝心なところの説明がないよ!

で、なぜ私がこの小説が好きなのかというと この物語の「どんでんがえし」がすきなのですね。 最後に「ちくしょ~、そうきたか!」と思ってしまったのです。 不覚にも。

話はシンプルなのですが、 クライマックスまでの話の伏線が見事。

やっぱ、Webの仕事もばりばり伏線はって 最後に「大どんでんがえし」で クライアント様に大喜びしてもらえたらいいじゃないですか。

伏線、もとい、根回しは必要だと思ったわけでして…

それともうひとつ理由があります。

それは、終わりのほうで ピンチになった主人公「ダン」の思いが私の心を打ったのです。

何度火傷しようと、人を信用しなければならないときがあるのだ。そうしなければ、洞窟の隠者になって片目を開けたまま眠るはめになる。安全でいる方法なんてなにもない。

当時、人間不信におちいっていた私に勇気をくれた一言であります。 この言葉があったからこそ、今の自分があるのではと痛感している昨今です。

すでに過去になってしまった未来ですが…

この小説は2000年の未来を描いたものですが、 すでに我々は2000年を超えた年代に生きているわけです。 が、この小説で描いた未来が 今はどれだけ実現できているのかを 考えるのも面白いかもしれません。

例えば、この物語にでてくる 「おそうじガール」は、 いまの「ルンバ」に代表するお掃除ロボットで実現してますし、 「製図機」も「CADソフト」ですでに実現してしまっています。

まとめ

とにかく私がこの小説で学んだのは大きくこの二つ。

  1. ゴールまでのストーリーを思い浮かべ、何事も「伏線(根回し)」をはるべし
  2. どんなに裏切られても、人を信じる心をわすれてはいけない

という感じです。 おっと、これは仕事にも通ずることではありませんか? 今後も、これを信条にしていきたいと思う今日この頃です。

さあ、皆さんも「夏への扉」を探しましょう!

最後に2つの訳バージョンを紹介します。 夏も近いことですし、 機会あれば、この本を読んで「夏への扉」を探してはいかがでしょう。

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF)

こちら、長年愛され続けてきた福島正実さん訳。 フランクでど直球な訳が好きです。

夏への扉[新訳版]

夏への扉[新訳版]